ハルノユキ - リリィ、さよなら。 吉他和弦谱
サクラの花が咲く度に、こんな気持になるのはいつごろからだっけ。 昼(ひる)過ぎの 町(まち)外(はず)れの校舎、散らかった部室 机の上にばら撒(ま)かれた楽譜。 ずっと何かを思い出さないまま、誰かの声がする 誰かをずっと呼んている。 日の光(ひかり)が少しずつ空気を緩めて、もうすぐ春がやってくる。 微睡(まどろ)んだあくびをする 僕の名前を呼ぶ、誰かをずっと探している。 そんな風に目が覚(さ)める、ここはあの街から随分と離れた都会の片隅。遠い昔の思い出は 春の匂いと一緒に、今年もまた 僕の元へ。
— 春の雪(ゆき) ヒラヒラと 一片の想いを隠(かく)して
いつまでも いつまでも 届かない 浅い夢のように–
小説は ここで終わり 繰り返し 読み すぎて
擦り切れた ぼろいページ もう捨てて しまおうかな
出来もしない ことさえも はしゃいで追いかけた日々
制服の 僕たちが この道を 駆けていく
つまらない 見栄と意地と 後 悔 だけ覚(おぼ)えて
「上手く大人(お とな)に なれたかい?」どうか 応えてくれ(へんあはん)
会いたくて 会いたくて 気がつけば ま た春の匂い
何度でも 何度でも すり抜けていく君の面影
そうずっと もうずっと 呼び続 けている
いつかは 消 えてしまうから
返す機会 失った 言葉も あ の楽 譜も
時が止まった 僕さえも どこにたど り着くだろう
水面(みなも)が白(し ろ)く 染まって 同じ季節(き せつ)が巡(めぐ)るよ
「ちゃんと幸(し あわ)せにな れたかい?」いつか 教えてくれ(へんあはん)
春の雪(ゆき) ヒラヒラと 一片の想いを包(つつ)んで
いつまでも いつまでも 届けたい君のその空(そら)へ
そうずっと もうずっと 流(なが)れていった時間
いつかは 死んでしまうから
たった一度きりの花はやがて枯れても
春が来る度(たび)にまた逢えるというらしい
人ごみの 街中でも この桜(さくら)の川辺で も
平等に訪(おとず)れる 終わりと始まりを
優しく濡らしていく
春の雪(ゆき) ヒラヒラと 一片の想いを許(ゆる)して
いつまでも いつまでも 届けたい 君の空まで
会いたくて いま会いたくて 泣き出しそうなこの春の匂い
何度でも 何度でも すり抜けていく君の幻(まぼろし)
そうずっと もうずっと 呼び続けている
いつかは 忘れてしまうから
うわごとのように 君(きみ)の名前を